■ pt.2 - PREFUSE73@渋谷O-East special guests Beans and Battles 3.27(Sun)■

 ついにやってきました。Prefuse73です。いつもどう読んでいいかわからず 「プレフューズナナサン」だの「プレフューズナナジュウサン」だの、心の中 で勝手に読んでいたわけですが、やっと正式な和名を知ることができ、こうし て堂々とライブにやって来れました。だって、名前を間違って呼んでいるのほ ど恥ずかしいことはないですから。「Authecre」だってみんな最初は読めな かったはずです。誰かが言っているのを聞くまでは声に出さなかったはずで す。808 STATEもとりあえず困ったでしょう。175Rなんてふざけてるとしか思え ません。国道122号だって、246号だって、298号だって、最初は声を震わせなが らその呼び名を口にしたはずです。とにかく数字とかはやめてほしいです。何 て言えばいいんだかわかんないじゃないですか。

 そんなわけで今日も「HISA935」による緊急レポを始めます。

 この日は昼間から友人の結婚式がありました。かろうじて私の結婚式ではな いんですが、それでもかなり仲の良い友人の結婚式だったんです。スピーチま で任されていましたから。あやうく二次会の幹事までやってしまうとこでした から。

 結婚式って大好きです。だって後ろめたさもなしに真っ昼間からお酒が飲め るし、飲み放題だし、料理はおいしいし、デザートまでついてくるし、そして 何より普段着ないオシャレ着が着れるからです。まだ肌寒いのにかなり露出し たドレスを着たり、コサージュやブローチなど普段絶対付けないようなアクセ サリーもつけたり、朝から美容室に行って髪をアップにしてもらったり、とに かく結婚式って楽しいんです。

 ですから、私も気合い入れて黒の羽織りを着て結婚式に参加しました。そし て、そのままライブにやってきました。もちろんこの日も友人マミと一緒で す。

 「今日は身分証いらないのよね」

 まあね、でもそれくらい持ち歩いておいたほうがいいんじゃないかしら、大 人として。

 押しに押して、結局30分押しで始まったライブです。マミだってご立腹で す。「はぁ〜!とか「もぅ〜!!」とかそんなため息が漏れています。という か、マミのご立腹は決して30分押しのせいではありません。マグナムドライの せいです。カウンターでビールと頼んだらマグナムドライの缶を渡されたこと に非常に腹を立てているのです。500円も払っておいてマグナムドライってのが よほど気に入らないのでしょう。別にエビスを出せとは言いませんが、とりあ えず「ビール」と呼ばれるものが欲しかったのです。
 しばらくは一口飲むたびに「あ〜薄い!」「こんなの水だよ!」「あーあー コンビニで買ってくればよかった!」とか、缶に向かってののしりまくりで す。

 「結婚式で飲んだビールはさぞおいしかったでしょうね!?」

 は、はい・・。

 というわけで、そんなマミをなだめるかのように突然ライブはスタートしま した。突如ステージに登場した男はいきなりラップをかまし出し、かなりご機 嫌な様子です。そう、そんなご機嫌男はbeansです。



 「おぉぉぉぉ」

 お、マミが食い付いてきました。とりあえずマグナムドライとは一時休戦で す。
 そんなわけで大騒ぎなbeansですが、ステージにあるCDプレーヤーのスイッチ を自ら"ピッ"、"ピピッ"とオンオフして歌っています。歌い終われば"ピッ"と 止めに行き、そして次の歌を選んで"ピピッ"とスタート。

 カラオケですか?

 まるで友達のカラオケを聞いてる気分です。いえ、むしろ宴会場で歌い続け る上司の歌を無理矢理聞かされている部下たちの気分です。「よっ!」とか 「よいしょーっ!」とか「サイコー!!」とか間の手を入れたい気分です。

 そうして一通りマイレパートリーを歌い終わったbeansはご満悦な様子でス テージをあとにしました。そして隣のマミも同じくご満悦そうです。

 「いいねー、あいつ。面白いね。次もうプレフューズやる?ちょっとその前 にビール買ってくるよ。マグナムドライだけど」

 また勃発?

 そして、次に登場したのはマミの期待を裏切るように、プレフューズではな くバトルズでした。私は今までバトルズは聞いたことなかったのですが、良い 感じです。きれいな音です。いいです。

 でも、ずーっと気になっていたことがあるんです。そればっかりが気になっ て音に集中できなかったんです。



 ドラムのシンバル高すぎ。

 おかげでドラムだけがいやに疲れている様子です。あと、50センチ低くすれ ばもう少し楽になりましょうに。なぜ、あんな高い位置に置いてるのでしょう か。それが彼のポリシーなのでしょうか。代々受け継がれている基本スタイル なのでしょうか。それとも、テコの原理を利用するため腕はピーンと張った状 態でなくてはならないのでしょうか。もしくは、最初に設置した時よりも背が ぐっと縮んでしまったのでしょうか。当初は背が250センチくらいあったので しょうか。そればっかりが気になって気になって・・・。

 そうしてようやくプレフューズ登場です!マミも一安心です。

 最初のほうはExtinguishedから多くやっていました。Hide Ya Face Reminder Versionで始まったかと思うとThe End of Bittersで盛り上げ、Dave's Bonus Beatsとか、One World ExtinguisherからはThe Color Of Tempo、 そして Chocking You!ライブ仕様で音も増えてて素敵でした。そんなわけで新譜から はなかなかやってくれませんでしたが、しかし、そんなことでは終わりませ ん。なにせプレフューズですから。
 ていうか、Scott Herrenがまたかっこいいんです。
 そりゃエレクトロニカって響きだけでなんだかオシャレだと思われます。 ウォークマンからプレフューズが音漏れしてればオシャレなのでしょう。妹は 和田アキ子のCDを電車で聞いてるらしいんですけど。ある意味そっちのほうが オシャレな気もしますけど。

 そんなわけで、It's Crowdedです。



 全くニクいです。新譜から来るのかと思ってたのに、最初にThe End of Bittersで絶妙に盛り上げといて、その後ガシガシつなげてIt's Crowdedに突入 ですから。あの出だし、いいです!チャラーララー、チャラーラー♪チャラー ララー、チャラーラー♪です。そんな音聞かされては喉だってカラカラです。 マグナムドライであろうと進みます。

 やばい、トイレ行きたくなってきた・・。

 しかし、会場はもう人がいっぱいでそんな簡単に身動きなどとれそうにあり ません。行くことはできてもここまで帰って来れるか心配です。

 終わるまで我慢してようかな・・。

 でも、あとどれくらいで終わるんだろう。あと30分くらいで終わってくれる かしら。終わったと思ってもアンコールとかでやっぱり引っ張るのかし ら・・。どうにか終わってもこの人だかりの渦から抜け出すことなんてできる かしら。

 数十分、そんなことばかり考えていたから、ライブに全く集中できませんで した。これが世に言う空白の時間ってやつなのでしょうか。この間、ライブに いるはずなのに心はどこか遠くに行ってしまっていました。ライブにいながら もライブにいない、というちょっとした疑似体験です。もしくは幽体離脱で す。ていうか幽体離脱してトイレに行けたらどんなにいいでしょうって話で す。ワープとかしたいです。どこでもドアをください。タケコプターでもいい です。もしもボックスとかスモールライトとかなんでもいいです。つーか、簡 易トイレください!

 ってわけで、やっぱりトイレに行くことにしました。今トイレに行っておけ ばその後のライブが快適に楽しめるわけですから。もう一度マミのところに 戻ってこれなくなっても仕方ありません。そのときはそのときです。私はひと り後ろで見守っています。ジャニーズの運動会に付き添いで来た親のように我 が子を見守る気持ちでマミをそっと見守っておきます。

 そして、どうにかトイレに行き涼しい気分で戻ってきましたが、なんと会場 内大盛り上がりです。One World Extinguisherで大フィーバーです。



 まずい!こうしてはいられない。すぐに定位置へ戻らないと。この人混みを かき分けてなんとかマミの元へ戻らないと!

 すいません、すいません、すいません、すいません、すいません、あ、すい ません、すいませんったら、すいません・・・。



 1年分くらいの「すいません」を言いながらどうにかマミの元へ到着しまし た。

 よし、待たせたな、ファミリーたち。さあ、私も一緒に盛り上がるぞ!

 っと、思ったらもう「One World Extinguisher」終わってました。

 元の健康体を取り戻した私はようやく心からライブを楽しむことができ、 フィナーレに向けてテンションも高まっていきました。最後はBeatsやバトルズ と一緒にセッションし、たいへん盛り上がりました。Beatsもイキイキしていま す。さきほどのようなカラオケではなく生演奏で歌えるわけですから。  そして私ももちろんイキイキです。やはりライブ前にちゃんとトイレに行っ ておくべきだったのです。基本なのです。トイレに行ってるのと行ってないの とではその楽しさも全然違うのです。世の中はトイレ中心に回っていると言っ ても過言ではないのです。

 「ビールいる?マグナムドライだけど」

 いや、いい。



 ※次回はAuthecreです。たぶん、行きます。



■ pt.1 - STERNE@WOMB 2005.3.11 23:00〜■

 最近RYUKYUDISCOが熱いようです。
 いやにいろんなとこでその名前を見ます。やはり沖縄ブームだからでしょう か。若干古いけどまだまだ沖縄ブームってことでしょうか。ゴーヤですか、泡 盛ですか、BEGINですか、THE BOOMですか。THE BOOMは関東圏出身ですけど。

 そんなわけで、行って来ました。WOMBです。RYUKYUDISCOライブが開催される んです。長年のクラブ仲間マミが最近リュキュウにドハマリで"リュ"って言っ ただけで「行く!」の即答です。ちなみにマミはしばらくロンドンに住んでい て最近日本に帰ってきた友達です。ベルリンのラブパレードにも一緒に行きま した。そんな親友マミのためにも張り切ってぴあで前売りを買い、新譜も買っ て予習し、心はもうリュキュウ一色です。沖縄の風が吹いてます。泡盛だって 飲んじゃいます。

 が、しかし行けませんでした。

 なぜなら、私のほうに公的な用事が入ってしまい、どうしてもその時間には 行けなくなってしまったのです。だって、7時は早すぎますよ。7時なんてチ ビッ子もまだ起きてる時間ですよ。7時なんてドリフも全員集合してませんよ。

 そんなわけでリュキュウはやむなく断念しましたが、このままおとなしく シッポを振って家に帰るわけにはいきません。マミの気持ちもおさまりませ ん。そこで、WOMBでリュウキュウライブ後に行われる、卓球とWESTBAMの仲良し コンビのイベント・STERNEに行ってきました。もしかしたらそこでリュウキュ ウがシークレットで登場するんじゃっていう期待も胸に秘めつつ参戦です。

 いえ、別に卓球とかってそれほど好きじゃないんです。WESTBAMとかDJ HELL とかKAGAMIとかタサカとか、卓球のお友達たちをよくいろんなとこで見かけま すが、けっこうもう飽きました。街で出会っても素通りしそうです。というよ りタサカなんて会ったって普通過ぎて絶対に気付きません。アキバで会ったこ とがある気さえしてしまいます。先日machine drumの最先端エレクトロニカに 行っただけに、卓球ファミリーとなると90年代の匂いがプンプンです。ミニマ ルばかりで踊っていた時代です。裏原宿がオシャレだと思い込んでいた若さが 蘇ります。

 さて、公用をサクッと済ませ、マミとの待ち合わせ場所に向かいました。
「いつもだったらパブで飲んでるんだけど、今日は金曜で混んでるからそのへ んウロウロしてるよ」とマミは言っていました。さすがロンドン帰りは違いま す。飲み屋など行きません。パブです。日本なのに外人がうようよし、英語が 飛び交うパブです。日本語など通じません。そのパブの店内に入ってしまえば そこはもう日本ではありません。陸の孤島です。治外法権です。

 そんなマミと共に、ネオンが輝く渋谷のラブホ街を抜け、場内からの熱狂が 伝わってくるWOMBの階段を降りました。するとそこに待っていたのは「ID チェック」です。もうそんなものは当然わかっています。免許証を見せればい いわけです。免許証がなかったら保険証でしょうか。 住民票でしょうか。戸籍謄本でしょうか。


 「あ、免許証忘れちゃった」

 でた!!!
 そう、マミです。やってしまったようです、マミさん。

 「たぶん大丈夫だよね、どう見ても10代じゃないしさー」
 いや、ダメでしょ。

 「そういえばWOMBって指紋を登録してIDチェックできるようになったんで しょ?」
 いや、だからそれも、まずは免許証で証明しないと。

 「つーかさー、日本のクラブってドラッグチェックはしないくせにIDは厳し いのね」
 おおーー、かっこいい!ロンドンっ子は言うことが違うね。

 で、結局エントランスのお兄さんにどうにか勘弁してもらおうと挑みまし た。

 兄さん 「あー、ホントはダメなんですけどー。初めてですか?」

 マミ 「いえ、何度も来てます!!」
 あああああ言っちゃったよ、この人・・・・・。

 兄さん 「何度も来てるんだったらIDチェックのこと知ってますよね?」

 マミ 「知ってますけど、指紋でできるって聞いたから」
 だーかーらーーー。

 兄さん 「ま、お友達もいるし、今回だけは仕方ないからいいですよ。でも次 はダメですよ」

 マミ 「あーよかったー。ありがとーー。でもその指紋でIDチェックって・・」
 マミ、もういいでしょ、指紋は。


 さて、そんなわけでどうにか参戦したSTERNEです。久しぶりに見た卓球はさ すがですね。盛り上げます。TENでダルくなった客たちを一気に盛り上げてくれ ました。そう、そしてやっぱりあの曲をやるんですね。なぜかあの曲DJたち大 好きですね。そう、ブラーの「SONG2」です。なんかこの曲ほんといろんな人が やりますね。そして当然客たちも盛り上がります。みんなで「フーフー♪」で す。フーフー♪フーフー♪フーフー♪そればっか。つーか、それしか歌えませ んから。昔レディオヘッドに行ったときも「カーマーポーリース♪」のとこだ けみんな大きな声で歌ってて、その後は鼻歌でごまかしてたのを思い出しま す。

 そんなUKロックでヒートアップしてきた会場に引き続きやってきたのはアメ リカンロックです。そう、カリスマロックバンド・ニルヴァーナです。名曲 「Smells Life Teen Spirit」がブラーを引き継ぎ会場を盛り上げてくれます。 それまでフーフー♪言ってた人々ももうみんなカリスマです。みんなカート・ コバーンです。苦悩の魂の叫びです。でも良く見てみてください、彼はカー ト・コバーンじゃないですよ。石野卓球ですよ。アゴチョビひげの卓球おじさ んですよ。


 そして今回最もイベントを盛り上げてくれたのは何と言ってもVJです!面白 いです。

 バムがいっぱいです。


 バムだらけです。
 
 バムとバムとバムと、そしてバムです。
 


 そんなバムたちも楽しすぎて時間を忘れてしまったのでしょう。
 なかなか終わりません。  もう疲れました。
 さすがにこんなハイテンションなクラブは久しぶりなのでクタクタです。

 そんなわけで帰りました。疲れ果てた私たちをバム たちが見送ってくれました。



 ※次回はPrefuse73 の予定です。お楽しみに!